Research Press Release
「摂氏2度未満」の達成に必要な二酸化炭素排出削減策とは
Nature Climate Change
2011年11月21日
今後20年以内に二酸化炭素排出量が急速に減少し始め、最終的にゼロにならなければ、地球温暖化による気温上昇を産業革命以前との比較で摂氏2度未満に抑えるという目標の達成可能性はないことが明らかになった。この新知見は、温暖化を摂氏2度未満に抑えるという課題がさらに困難さを増していることを明確に示している。この研究結果を報告する論文が、Nature Climate Change(電子版)に掲載される。 温暖化を摂氏2度未満に抑えるという国際的に合意された目標を達成できるかどうかは、将来的にどれだけの二酸化炭素排出量をどれくらいの速さでいつまでに削減するかという決定にかかっている。今回、P Friedlingsteinたちは、気候モデルを用いて、この「量」、「速さ」、「期間」という3つの要因をどのように組み合わせれば今後1000年間にわたって上記の目標を達成できるのかを調べた。その結果、二酸化炭素に対する気候システムの感度が予想とほぼ同じであれば、今後20年以内に中程度以上の速さでの二酸化炭素排出削減が始まり、正味の総排出量が最終的にゼロかマイナスになる場合に限って目標達成が可能なことが判明した。また、Friedlingsteinたちは、もし気候感度が高ければ、目標達成はさらに難しくなることも明らかにした。
doi:10.1038/nclimate1302
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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