【古生物学】水上生活をしていたカモ似の恐竜
Nature
2017年12月7日
白鳥のような曲がった首とひれ足のような前肢を持ち、少なくとも一定の期間は水中で生息していた新種の恐竜種Halszkaraptor escuillieiについて記述された論文が、今週掲載される。この恐竜は、白亜紀のカンパニアン期(約7100万~7500万年前)に現在のモンゴルにあたる地域で生息していた。
マニラプトル類は、鳥類とその最近縁種が含まれる恐竜分類群で、白亜紀にはマニラプトル類のいくつかの系統において生息生態系に関連するいろいろな特徴(例えば、能動飛翔、巨大化、走行するための特別な適応、草食性)が生じた。
今回、Andrea Cauたちの研究グループは、高分解能シンクロトロン放射光走査装置を用いて、部分的に岩石に埋没したままのマニラプトル類恐竜の化石を調べたところ、奇妙な特徴が少なからず見つかった。こうした特徴は、非鳥類型マニラプトル類恐竜にはほとんど見られないのに、水生や半陸半水生の爬虫類分類群と鳥類分類群に見つかっているのだ。
この奇妙な特徴については、陸上を二足歩行し、姿勢適応が(カモのような)短い尾の鳥類に似ているが、(ペンギンとその他の水鳥のように)ひれ足のような前肢を使って水中を移動し、長い首を使って採餌や待ち伏せ狩猟を行う水陸両生獣脚類恐竜の新種の特徴だとCauたちは解釈している。Cauたちは、これまで謎であった断片的な化石標本2点とH. escuillieiを新たな恐竜の亜科(Halszkaraptorinae)に分類した。
doi:10.1038/nature24679
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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