【化石】ニュージーランドで見つかった巨大なペンギンの化石
Nature Communications
2017年12月13日
人間の男性の平均身長とほぼ同じ体長の古代の巨大ペンギンの新種について報告する論文が、今週掲載される。約6000万~5500万年前の絶滅種のペンギンの化石がニュージーランドで発見され、ペンギン類の初期進化に関する新たな手掛かりがもたらされた。
巨大化は、ペンギンの進化の特徴の1つとして知られており、古代のペンギン種の体長は、現生種で最大のものを上回っている。巨大なペンギンの化石標本については、約5000万~2000万年前のものについて十分な記録が残っているが、それよりも古い系統のペンギンの化石標本はなかった。
今回、Gerald Mayrたちの研究グループは、ニュージーランドで出土し、今から約6000万~5500万年前の暁新世後期と年代決定された部分的な骨格化石について、巨大ペンギンの新種Kumimanu biceaeと同定した。発見された化石の中に約161ミリメートルの大腿骨が含まれており、この巨大ペンギンの体重は約101キログラムで体長が約1.77メートルと推定された。その結果、K. biceaeは、これまでに報告されたペンギンの中で最大級のもので、知られている限りでは最古のペンギン種の1つとなった。この他に6200万~5800万年前と年代決定された2点のペンギン種の化石がある。
Mayrたちは、K. biceaeの進化的関係に基づいて、その巨大な体の起源が他のペンギン種の場合とは全く別で、ペンギンが出現して、空を飛ぶ生活から水に潜る生活への進化的移行が起こった後間もなくのことだったと結論付けている。
doi:10.1038/s41467-017-01959-6
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化学:アルゴリズムは、ウイスキーの最も強い香りと原産地を嗅ぎ分けることができるCommunications Chemistry
-
天文学:月の年齢はより古いNature
-
気候変動:南極の海氷減少が嵐の発生を促すNature
-
天文学:天の川銀河の超大質量ブラックホールの近くに連星系を発見Nature Communications
-
惑星科学:土星の環が若々しい外観を保っている理由Nature Geoscience
-
惑星科学:木星の衛星イオに浅いマグマの海はないNature