Research Press Release
腸のガスを検知する摂取型電子カプセル
Nature Electronics
2018年1月9日
腸内のさまざまなガスを検知でき、人の食事の変化を識別できる摂取型電子カプセルが、今週報告される。このデバイスを用いれ ば、食事や医療用サプリメントの影響の解明や、個人に合わせた食事の開発に役立つ可能性がある。
摂取型センサーは、人の健康管理に効果的な役割を果たす可能性がある新技術であるが、このデバイスの能力は今のところ比較的限定されている。
今回K Kalantar-Zadehたちは、ガスセンサー、温度センサー、小型コンピューター(マイクロコントローラー)、無線周波数の送信機、電池を含む小さな摂取型カプセルを開発した。健康な被験者6名による小規模な予備的臨床試験で、このセンサーが腸内を移動しながら酸素、水素、二酸化炭素を検知でき、被験者が携帯するポケットサイズの受信機にガス濃度データを送信できることが示された。特に、ガス濃度プロファイルは、腸の微生物群によって食物の発酵時に産生されるガスを反映しており、これを用いて高繊維食を摂った被験者と低繊維食を摂った被験者を識別できた。
今回の結果は、この電子カプセルが、個人によって異なる発酵パターンを検出できることも明らかにしており、このセンサーを用いて特別食に対する人の応答をモニターできる可能性を示唆している。
doi:10.1038/s41928-017-0004-x
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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