Research Press Release
【工学】ホログラムとは別の新技術で三次元動画を映し出す
Nature
2018年1月25日
何もない空間に彫像のような立体動画を映し出す技術について報告する論文が、今週掲載される。この動画は、同じ物理空間にある物体と共存できるが、今のところ、ホログラフィック技術では得られない。
三次元動画は、長い間、サイエンスフィクションでの出来事だった。三次元の外観は通常、光を操作することで作り出されるが、そのための既存の方法には、視野角が狭い、特別なヘッドウエアがなければ見ることができない、などの制約があった。
今回、Daniel Smalleyたちの研究グループは、自由空間体積型ディスプレイのプラットフォーム(“Optical Trap Display”)を設計した。これにより三次元の物体を実空間に表示でき、専用メガネを使わずにどの角度からも見ることができる。このディスプレイの仕組みだが、ほぼ透明な光場は空間体積中の小さな粒子を捉え、移動させる。粒子が移動すると、赤、緑、ブルーのレーザー光が照射されて画像化される物体の表面が記録される。この粒子スキャニングが十分に高速で行われると、色域が広く、細部も精密な物体の三次元の表面が出現する。スキャニングの速度をさらに引き上げると、画像化された物体が動いているように見えるのだ。
doi:10.1038/nature25176
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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