Research Press Release
洪水はマイクロプラスチックによる汚染を河床から流し去る
Nature Geoscience
2018年3月13日
洪水は、マイクロプラスチックによる汚染を河床から大量に流し出すことがあることを報告する論文が、今週発表される。
マイクロプラスチックは長さ5ミリメートル以下のプラスチック粒子である。化粧品産業のために計画的に生産されているものもあれば、より大きなプラスチックがばらばらになってできるものもある。マイクロプラスチックは世界の海洋を汚染しており、環境と生態系の両方を脅かしている。海洋のマイクロプラスチックによる汚染のおよそ90%は陸上が起源であると考えられているが、この過程において河川が果たす役割はよく分かっていない。
Rachel Hurleyたちは、英国北西部の40か所で得られた河川堆積物中のマイクロプラスチックを調べた。その結果、地方の最も小さな河川も含めた全ての河床で、マイクロプラスチックが見つかった。また、都市部のさまざまな汚染ホットスポットが明らかになり、汚染濃度は、最大で1平方メートル当たり51万7000個のプラスチック粒子であった。Hurleyたちはさらに、2015/16年の冬に起きた激しい洪水の後に、同じ場所で再び試料を採取し、マイクロプラスチックによる汚染が70%の河川で減少していることを見いだした。全マイクロプラスチック量のおよそ70%(およそ0.85トン)が洪水によって河床から運び出され、7か所ではマイクロビーズによる汚染が全て流し去られていたのである。
doi:10.1038/s41561-018-0080-1
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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