ガリレオ探査機から届いた衛生エウロパのプルームに関する現地の証拠
Nature Astronomy
2018年5月15日
木星の衛星エウロパの内部の海から宇宙空間へと物質を輸送するプルーム(間欠泉)の存在が、最近のガリレオ探査機で得られた現地の証拠で強化されたことを報告する論文が、今週発表される。このようなプルームによって、エウロパを周回している探査機が、海の物質を直接採取し、海に生息する生命体の存在の可能性を確定することが可能になるかもしれない。
エウロパは、「海の世界」がある外部太陽系の典型的な天体であり、厚さ数キロメートルの氷の下に温かい液体の海を持つ。この海を研究するための方法の1つは、エウロパに着陸し、氷に穴を開けることだが、これには費用がかかり、技術的にも困難である。より優れた方法は、海から表面へ物質が噴出していると考えられているプルームを研究することにある。ハッブル宇宙望遠鏡はプルームの可能性のある現象を2012年と2016年に観測したが、この解釈には議論があった。
Xianzhe Jia らは、データを局所的に採取する代わりに、1997年にガリレオ探査機がエウロパを接近通過したときに得られたデータを調べることで、プルームの存在について現在のところ最良の証拠を発見した。Jiaらは、観測したエウロパ周辺の磁場とプラズマの変化が、プルームの存在によって容易に説明できると報告している。また、ガリレオの軌道を再現することで、エウロパ内部からの熱輸送による異常な温度の領域と一致する、エウロパ表面のプルームの位置も特定された。
これらの発見は、2020年代後半から2030年代前半にかけて木星に到着すると予想されるNASAのエウロパ・クリッパー探査機やESAの木星氷衛星探査機など、将来のエウロパ探査計画を手助けする。
doi:10.1038/s41550-018-0450-z
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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