Research Press Release
自動車販売店が消費者を電気自動車から遠ざけている
Nature Energy
2018年5月22日
産業や政策の状況のために自動車販売員が電気自動車の宣伝販売を思いとどまっており、販売店での消費者のこうした体験が電気自動車の普及を妨げている可能性があることを示唆する論文が、今週掲載される。
今回 G Zarazua de Rubensたちは、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの自動車販売店82店舗を、顧客になる可能性があると装って訪れた。すると、販売員は電気自動車に否定的で、電気自動車の仕様について誤った情報を与えたり、ガソリン車やディーゼル車の購入を勧めたりすることが分かった。電気自動車は商談から完全に外されていた場合もあった。この業界の専門家にインタビューすると、これらの知見を裏付けるように、電気自動車は売りにくい上に利益が少ないと思われている、と指摘した。加えて、販売員は電気自動車に関して、効果的な販売戦略を支えると思われる適切な訓練を受けていない。
電気自動車は、輸送による二酸化炭素排出の削減に役立つ可能性がある。しかし、今回の研究から、電気自動車についてよく知らなかったり、興味が持たれていなかったり、あるいは販売店で初めて電気自動車を見る消費者は、電気自動車の購入を勧められない可能性が示されている。こうしたことから、電気自動車の販売を退けるのではなく促進するよう販売員を促すような市場状況を作るためには、産業と政策のインセンティブが必要であると示唆される。
doi:10.1038/s41560-018-0152-x
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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