Research Press Release

【進化】都市部の動物の体サイズの変化

Nature

2018年5月24日

都市化によって動物の体サイズが変化していることを報告する論文が、今週掲載される。動物種とその都市部生息地との進化的関係の解明は、都市化の生態学的影響と進化的影響を予測する上で役立つため、大事なことであり、時宜にもかなっている。

都市環境に伴う気温上昇は、都市に生息する動物の代謝コストを増やしており、体サイズの小型化が促進されることが予測されている。今回、Thomas Merckxたちの研究グループは、ベルギー北部の都市部から非都市部に至る生息地の勾配において、そこに生息するチョウとクモなど、10分類群の700以上の動物種の個体を調べた。予想されたように、都市部の群集は一般的に体サイズの小さな種によって構成されていたが、必ずしもそうというわけではないことが分かった。研究対象となった分類群のうちの3分類群で、体サイズの大型化の傾向が見られた。Merckxたちは、その理由として、大型の動物の方が分散能力と新規生息地の発見能力が高い場合があることを挙げている。都市化によって自然の生息地が分断されるため、分散と新たな生息地の発見は、有用な進化戦略となり得る。

doi:10.1038/s41586-018-0140-0

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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