Research Press Release

【健康科学】高齢者はライフスキルが多いほど生活の質が高い

Scientific Reports

2018年7月6日

50歳以上のアメリカ人の場合、ライフスキルを多く獲得している人は、ライフスキルが少ない人と比べて、精神的安寧と情緒的健康に優れており、社会的関係が強固で、収入も多いという研究結果を報告する論文が、今週掲載される。

今回、Andrew Steptoeたちの研究グループは、5つのライフスキル(誠実性、情緒的安定、粘り強さ、楽天的、コントロール感)と、経済状態、心理的状態、社会的地位、および健康状態のそれぞれの尺度(強固な社会的関係を形成する能力、経済的見通し、慢性疾患、孤独など)との関係を調べた。その結果、ライフスキルの数が多くなると、全ての領域で結果が向上し、スキルの種類よりスキルの数が重要であることが判明した。

この研究結果は、高齢に達して複数のライフスキルを維持していることが、社会的利益と個人的利益の両方に重要であることを明確に示している。Steptoeたちは、高齢者のライフスキルを改善するためには、複数のスキルを育むべきだと考えている。

今回の研究では、アメリカ人8843名(50~102歳)を対象として、5つのライフスキルのそれぞれについて評価を行った。人生の成果を表す尺度には、収入、長期に及ぶストレスの原因、社会との接触量、主観的健康度、診断された慢性疾患、BMI(ボディマス指数)が含まれている。また、年齢、民族、社会経済的状況、学歴に関するデータも集められた。

doi:10.1038/s41598-018-27909-w

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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