Research Press Release

裏返しになった星雲が「よみがえった」星を取り囲む

Nature Astronomy

2018年8月7日

白色矮星を取り囲んでいる電離物質である惑星状星雲で、構造的に「裏返し」になっているものを発見したことを報告する論文が、今週掲載される。このような反転は、星が「よみがえり現象」を起こして、星の表面から物質を放出し、星雲の物質に衝撃波を与えたことが原因で生じたと考えられる。

低質量星が進化するにつれ、星は一般に外層を放出し、「ウインド」を形成する。星は、赤色巨星の段階から白色矮星に移行するにつれて高温となり、周囲のウインドに含まれる物質を電離させ始める。これによって、星に近い所にあるガス状の物質は強く電離するが、遠方のガスはそれほど電離しない。

ところが今回、Martin Guerreroたちが惑星状星雲HuBi 1を調べたところ、通常とは逆の状態にあることを見いだした。HuBi 1の内側の領域はさほど電離しておらず、外側の領域がより電離していたのだ。また、著者たちは中心の星を解析することで、中心星は意外にも低温で、その可視領域における光度が過去50年間にわたって急速に減少したことを明らかにしている。

Guerreroたちは、内側の星雲は、恒星の進化で通常は見られないほど遅い段階で物質を放出する星によって引き起こされた衝撃波の通過によって励起されたと提案している。星の物質は、冷却されて塵を形成し、星を隠した。中心星からの電離した光子が放出されない場合、外側の星雲は再結合し始め、中性となる。HuBi 1は太陽とほぼ同程度の質量であるため、この発見は太陽系の将来の姿を垣間見ている可能性があると、Guerreroたちは結論付けている。

doi:10.1038/s41550-018-0551-8

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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