Research Press Release
【保全】捕獲された野生のゾウは寿命が短い
Nature Communications
2018年8月8日
ミャンマーで木材産業に利用するために捕獲された野生のアジアゾウは、飼育下で誕生したアジアゾウよりも寿命が短いことを報告する論文が、今週掲載される。
飼育が生活史に及ぼす影響に関する研究の蓄積が進んでいるが、飼育下で誕生した個体と捕獲された野生個体の長期的な差異については、それほど詳しく分かっていない。
今回、Mirkka Lahdenperaたちの研究グループは、1951~2000年の個体群統計学的記録を用いて、ミャンマーの貯木場にいる5150頭のゾウの寿命を調べた。その結果、全ての年齢において、捕獲された野生のゾウ(2072頭)は、飼育下で誕生したゾウ(3078頭)より死亡リスクが高いことが分かった。捕獲された野生のゾウの死亡リスクは、捕獲から約2年たつごとに半減した。また、捕獲時の年齢が高いほど死亡リスクは高かった。捕獲された野生個体の死亡リスクが飼育下で誕生した個体と比べて高い、という現象が他の大型哺乳類にも当てはまるかどうかを見極めるには、さらなる研究の積み重ねが必要となる。
doi:10.1038/s41467-018-05515-8
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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