【環境科学】土地変化の動態から地球を評価する
Nature
2018年8月9日
地球は、主に人間活動によって樹木被覆地が増加し、裸地が減少していることを報告する論文が、今週掲載される。
土地の変化は、地球環境の変化の結果であり、原因でもある。しかし、土地変化の全容を把握するには、長期間にわたって局所スケールと全球スケールの検討を、特に農地、草地、およびその他の森林以外の土地を対象に含めて行うべきだが、全容解明には至っていない。
今回、Xiao-Peng Songたちは、衛星画像情報を利用して、1982~2016年の全球的な土地被覆の変化をマッピングした。Songたちは、土地被覆を裸地、低木植生被覆地、樹冠被覆地(高さ5メートル以上の植物)の3区分に分類した。
熱帯地方では広範囲にわたって農業による森林破壊が顕著に見られるにもかかわらず、上記の調査期間中に樹冠被覆地が7%増加したことが指摘されている。亜寒帯気候帯、亜熱帯気候帯、温帯気候帯の樹冠被覆地が正味で増加した結果、224万平方キロメートル増加したのだった。裸地は全球で合計116万平方キロメートル減少し、アジアの農業地帯での変化が最も顕著だった。土地被覆の変化は、地域スケールでばらつきが見られ、山岳地帯で樹冠被覆地が増加したのに対して、多くの乾燥系および準乾燥系(オーストラリア、中国、米国南西部を含む)では、植生被覆地が減少した。
Songたちは、確率抽出法を用いて、観測された土地変化の60%が直接的な人間活動に関連しており、40%が気候変動のような間接的な駆動要因の結果であると断定している。
doi:10.1038/s41586-018-0411-9
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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