Research Press Release
隕石による融解が初期のシリカに富んだ岩石を形成した
Nature Geoscience
2018年8月14日
地球最古のものとして知られるシリカに富んだ岩石の謎めいた起源が、地球の地殻を融解した隕石の衝突によって説明できるかもしれないことを示唆する論文が、今週発表される。
およそ40億年前の初期地球は、主に、暗色でシリカをあまり含まない「苦鉄質」の岩石からなる地殻を身にまとっていた。しかし、カナダのノースウエスト準州で得られたイディワ片麻岩と呼ばれる変成岩は、青みがかった、シリカに富む「珪長質」の岩石を含んでいる。このような珪長質岩が、その時代に存在した苦鉄質岩の地殻から形成されたことは謎であった。
Tim Johnsonたちは、イディワ片麻岩の化学組成を調べ、モデルを用いてこのような特別な珪長質岩が古代の苦鉄質地殻の融解によって形成され得ることを示した。しかし、そのためには、地殻最上部から3キロメートル以内の低圧で、かつ高温という特別な条件が必要であった。そのような浅部で岩石を融解するために十分な熱を生成したのは、地殻への隕石の衝突である可能性が最も高い。
隕石の衝突は、40億年前にはよく起きていたことであり、古代地球の地殻成分を変化させる上で重要な役割を果たしていた可能性があると、Johnsonたちは結論している。
doi:10.1038/s41561-018-0206-5
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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