【社会科学】科学者が成功するための秘訣とメンターとの関係
Nature Communications
2018年11月28日
大学院生時代や博士研究員時代に専門分野の異なるメンターの下で研修を受け、それぞれの専門知識を合成して自分自身の研究を作り上げた生命科学の研究者の方が、研究キャリアで大きな成功を収めているという研究結果を報告する論文が、今週掲載される。この研究ではまた、博士研究員時代のメンターの方が、大学院生時代のメンターよりも研究者本人の成功に役立ったことも示唆されている。
多くの科学者は、学界で終身在職権のある職に就くまでに博士研究員として研修を受ける。成功を収めているメンターに指導された学生や博士研究員は成功を収めるという傾向があるが、成功を定義する正確なパラメーターは明確になっていない。
今回、Jean Lienardたちの研究グループは、大学院生時代や博士研究員時代に研修を受けた研究者のデータベースを調べて、研修における諸々の関係を論文に示した。この研究では、神経科学者と生命科学者を中心に、研究者本人、そのメンター、そのメンターのメンターというトリオを約1万8800組調べ、データに基づいた方法で、本人とメンターの研究テーマの不一致性を評価した。Lienardたちは、学界での成功を「独立した地位を得て、次世代の研究者の研修を引き受けること」と定義した上で、相関関係を調べた結果、本人とメンターの研究テーマは異なるがメンターの研究テーマからさまざまな方法を合成できる人は、学界で成功を収める可能性が高いことを明らかにした。
doi:10.1038/s41467-018-07034-y
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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