さまざまな素材からなる翼竜類の驚異の外被
Nature Ecology & Evolution
2018年12月18日
一部の翼竜類が、羽毛や毛皮のようなさまざまな構造体による多様な外被に覆われていたことを示唆する論文が、今週掲載される。
初期の羽毛様構造体はかつて、現在の鳥類の祖先を含む恐竜類の生物群に特有のものと考えられていた。一方、羽ばたき飛行を身に付けた最初の脊椎動物である翼竜類は、毛皮を有するものとして描かれることが多い。
Baoyu Jiang、Michael Bentonたちは今回、約1億6500万~1億6000万年前に現在の中国に生息していた短尾型翼竜類の、保存状態が良好な2体の化石標本を、顕微鏡および分光イメージング技術で調べた。その結果、この翼竜類が4種類の外被を有していたことが明らかになった。すなわち、頭部、胴部、脚部、および尾部を覆うふわふわした毛皮のような断熱性の構造体と、頭部の一部と翼で見られる、現代の羽毛に類似した3種類の曲がった糸状の繊維である。
このような種々の外被は、体温調節、知覚、シグナル伝達、および空気力学において機能的な役割を果たしていたと考えられる。翼竜類に羽毛様の構造体があったという今回の知見から、羽毛は、恐竜類と翼竜類の両者がどちらかの祖先から受け継いだか、それとも両系統で別々に進化したかのいずれかであることが示唆される。
関連するNews & ViewsでLiliana D’Albaは、走査型電子顕微鏡法が今後さらに改良されれば、生きていた当時の恐竜類と翼竜類の正確な姿に関するより多くの手掛かりが得られるかもしれないと述べている。
doi:10.1038/s41559-018-0728-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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