Research Press Release
人間は地球の磁場を感じるのか
Nature Communications
2011年6月22日
ヒトの網膜で発現するタンパク質をショウジョウバエに移植したところ、そのショウジョウバエが磁場を感じるようになった。この新知見は、ヒトタンパク質「クリプトクロム2」が磁気センサーとして機能できることを示しており、ヒトが地球の磁場を感じることができるのかどうかという研究にとって新たな可能性を生み出すものかもしれない。この研究成果は、今週、Nature Communicationsで発表される。 ショウジョウバエの「クリプトクロム」タンパク質は、磁気センサーとして機能できることがこれまでに明らかになっている。今回、S Reppertらは、ショウジョウバエの行動解析を行い、ヒトのクリプトクロム2によって、クリプトクロムを本来的にもたないショウジョウバエの磁気受容が改変されることを明らかにした。 この新知見は、ヒトの視覚機能が磁場の影響を受けるのかどうかを調べる研究に道を開くものかもしれない。
doi:10.1038/ncomms1364
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
生物学:全ヒト細胞アトラスの作成Nature
-
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
健康科学:イカに着想を得た針を使わない薬物送達システムNature
-
化学:光を使って永遠の化学物質を分解する新しい方法Nature
-
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications