【健康】自然の中で過ごすことが健康と幸福感の向上につながる
Scientific Reports
2019年6月14日
週120分以上を自然環境で過ごすことが、健康と幸福感に関連することを明らかにした研究論文が、今週掲載される。
今回、Mathew Whiteたちの研究グループは、イギリスの成人1万9806人を対象として、過去1週間に野原や森林などの自然環境(自宅の庭を除く)で過ごした時間と、自己申告に基づいた健康と幸福感について調査した。この調査によると、自然の中で120分以上過ごしたと申告した人は、「健康状態が良い」または「幸福感が強い」と申告する傾向が強かった。
Whiteたちは、この関連が近隣の利用可能な緑地の規模とは無関係なことを見いだした。また、この関連は全ての年齢層の参加者(長期的な健康問題を抱えている人を含む)に見られ、この知見が、単に健康状態の良好な人々の方が自然環境を訪れる頻度が高いことによるものではない可能性が示唆された。またWhiteたちは、一度に自然の中で120分を過ごした場合と短時間の自然環境への訪問を1週間に数回行った場合では、差が生じなかったと報告している。自然の中で過ごした時間が週120分未満である場合は、幸福感の向上との関連が認められなかったが、自然環境で200~300分を過ごしても、さらなる効果は得られなかった。
Whiteたちは、今回の知見は予備的なものではあるが、健康と幸福感の有意な向上をもたらす可能性のある自然環境と触れ合う時間に関して証拠に基づいたシンプルな勧告を示すことを議論する上で、重要な出発点になると結論付けている。
doi:10.1038/s41598-019-44097-3
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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