Research Press Release
【保全】人間の活動が盛んな地域で雄だけの群れを形成するアジアゾウ
Scientific Reports
2019年7月5日
絶滅が強く危惧されるアジアゾウについて、人間活動によって分断された陸域では、青年期の個体が雄だけの群れを形成していることが観察されたことを報告する論文が、今週掲載される。こうした雄ゾウの群れ形成は、人間と接触するリスクの高い地域において繁殖適応度を向上させるための適応行動だと論文の著者は推測している。
絶滅が強く危惧されるアジアゾウについて、人間活動によって分断された陸域では、青年期の個体が雄だけの群れを形成していることが観察されたことを報告する論文が、今週掲載される。こうした雄ゾウの群れ形成は、人間と接触するリスクの高い地域において繁殖適応度を向上させるための適応行動だと論文の著者は推測している。
Srinivasaiahたちは、耕作地で採餌する大規模な雄だけの群れが複数年にわたって共同生活を続ける傾向があることを明らかにし、この行動が危機に瀕した生息地で生き残るためのリスク管理戦略であるかもしれないという考えを示している。また、Srinivasaiahたちは、人間の活動が活発な地域に生息するゾウの行動の進化を解明することは、人間とゾウの衝突を減らし、絶滅危惧種のさらなる減少を防ぐために役立つかもしれないと考えている。
doi:10.1038/s41598-019-45130-1
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:AIツールが創造的なビデオゲーム開発を支援Nature
-
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
素粒子物理学:最高エネルギーのニュートリノが話題を呼ぶNature
-
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature