Research Press Release
アブラムシの蜜に含まれる細菌が捕食者を引き寄せる
Nature Communications
2011年6月15日
アブラムシが分泌する蜜には、揮発性化合物を産生して捕食者を誘引する細菌が含まれていることが明らかになった。この新知見は、アブラムシ類の新しい防除方法の開発にとって重要な意味をもつかもしれない。この研究成果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。P Leroyらは、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)の蜜に含まれる化学物質をスクリーニングした。この蜜は、アブラムシが、植物の師部を食べる際に分泌する化合物の混合体だ。その結果、蜜から単離した細菌が揮発性化合物を産生することが判明した。また、この細菌が産生する特定の化学物質が、ハナアブ(アブラムシ類数種の捕食者として知られる)を誘引することもわかった。今回の結果により、ハナアブのような天敵を利用したアブラムシ類の防除への道が開かれる可能性がある。
doi:10.1038/ncomms1347
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:AIツールが創造的なビデオゲーム開発を支援Nature
-
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
素粒子物理学:最高エネルギーのニュートリノが話題を呼ぶNature
-
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature