Research Press Release
気候モデルによる予測の信頼性評価
Nature Communications
2011年3月30日
気候モデルによる予測の信頼性に関する解析が行われ、アマゾン盆地で乾燥化が起こる確率が、現在の予想より高いことが示された。水資源管理に関する意思決定は、通常、数多くの気候モデルによって形成されたコンセンサスに基づいてなされるが、このプロセスには不確実性がある。したがって、今回の新知見は、今後、精度の高い評価方法を開発し、より多くの情報に基づいて政策や適応策を決めるうえで役立つ。この研究成果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
今回、国立環境研究所の塩竈秀夫らは、統計モデルを適用して、南米の水資源に関する予測の不確実性を推測するための全球スケールの評価指標を明らかにした。アマゾン盆地に関しては、複数のモデルの集合体によって、湿潤化の進行が予測されているが、今回の研究結果は、もっと高い確率で乾燥化が発生することを示唆している。
doi:10.1038/ncomms1252
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:AIツールが創造的なビデオゲーム開発を支援Nature
-
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
素粒子物理学:最高エネルギーのニュートリノが話題を呼ぶNature
-
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature