心理学:フェイスブックで自分に正直になることが幸福につながる
Nature Communications
2020年10月7日
フェイスブックで真正な自己表現をする人は、主観的幸福感を高く申告するという傾向を明らかにした論文が、今週、Nature Communications に掲載される。この知見は、ユーザーがソーシャルメディア上で自己表現をする場合、自分に正直になることが心理的利益をもたらす可能性を示唆している。
米国人の約80%は何らかのソーシャルメディアを利用しており、そのようなユーザーの4分の3が自身のアカウントを毎日チェックしている。しかし、これらのソーシャルメディア上で理想化された自己像を追求すると、ユーザー個人の幸福に悪影響が及ぶことがあるという見解が示されている。
今回、Erica Baileyたちの研究チームは、2007~2012年に収集された1万560人のフェイスブックユーザーのデータを分析することで、ソーシャルメディア上での自己理想化と真正性が幸福に与える影響を調べた。最初に、フェイスブックユーザーは、ビッグファイブ性格特性(同調性や外向性などの諸特性を測定する確立された性格モデル)の測定を含む一連の心理試験を受けた。次に、Baileyたちは、ソーシャルメディア上での真正性を推定するために、個々のユーザーが自らの性格について自己申告した内容(心理試験に基づいた結果)とユーザーのソーシャルメディア上の性格(フェイスブック上での「いいね!」と投稿の言葉遣いに基づくコンピューターモデルによる予測結果)を比較した。その結果、真正な自己表現が、高レベルの生活満足度(全体的な幸福感の尺度)の自己申告と相関していた。この相関関係は、さまざまな性格タイプで一貫して見られると考えられる。
また、Baileyたちは、平均年齢23歳の参加者90人を対象とした別の研究で、ソーシャルメディア上で真正な投稿をするよう求められた参加者が申告した主観的幸福感のレベルは、他の参加者より高かったことを明らかにした。
doi:10.1038/s41467-020-18539-w
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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