Research Press Release
天文学:白色矮星を周回するガス巨大惑星が新たに発見された
Nature
2021年10月14日
天の川銀河で白色矮星を広い軌道で周回する木星質量の巨大ガス惑星の証拠を示した論文が、今週、Nature に掲載される。このサイズの惑星が同じような軌道で周回し、親星が巨星段階から白色矮星として死を迎えた後も存続することが複数のモデルによって示唆されているが、そのような惑星が観測されたことはなかった。
今回、Joshua Blackmanたちは、以前にマイクロレンズ法によって発見された木星質量惑星(MOA-2010-BLG-477Lb)の周辺地域の詳細な観測データを得た。マイクロレンズ法は、低温惑星に対して感度が高く、測定をする際に親星からの光に依存しないのが特徴で、白色矮星のような星の残骸を検出することもできる。Blackmanたちは、MOA-2010-BLG-477Lbが、その親星と同時期に形成され、親星の核における水素の燃焼が停止した後も存続したことを明らかにした。白色矮星を周回する巨大ガス惑星は、通常、5~6天文単位(AU)離れた軌道上に移動すると考えられているが、この惑星の親星からの距離は約2.8 AUである。
以上の知見は、親星の進化における巨星段階を生き延びる惑星が存在することを示す証拠であり、白色矮星の半数以上が類似した惑星を随伴しているという予測を裏付けている。
doi:10.1038/s41586-021-03869-6
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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