ロボット工学:操縦された通りの跳躍を素早く連続して行える無脚ソフトロボット
Nature Communications
2021年12月8日
外部から操縦可能な跳躍を素早く連続して実行する能力を備えた無脚ソフトロボットについて報告する論文が、Nature Communications に掲載される。今回の知見は、係留型ロボットが、さまざまな様式の移動運動を機敏に行えるようにするための新しい方法をもたらしている。
一部のロボットにとって、跳躍は、運行範囲を広げ、障害物を克服し、構造化されていない環境に適応するために重要だ。これまで、ソフトロボットの跳躍の高さと飛距離を向上させて障害物を飛び越える能力を高めつつ、跳躍頻度を制御する能力を保持して操縦性と運行性能を高めることは難題だった。
今回、Rui Chenたちは、フレキシブルな電気駆動の液再分配器を動力源として、前方に跳躍できる内部構造を持つロボット(重さ1グラム、長さ6.5センチメートル)を開発し、このロボットが、自身の身長の7.68倍の高さの跳躍ができ、1秒間に体長の6倍の距離という速度で前方への跳躍を連続して行えることを明らかにした。また、Chenたちは、このロボットが斜面、ワイヤー、砂利の山、成形立方体などの障害物を飛び越えられることを実証した。2台のアクチュエーター(ロボットを動かす部品)を連結すると、このロボットは、毎秒138.4度の旋回速度で操縦された通りの跳躍を行うことができた。
さらにChenたちは、これらのアクチュエーターに他の機能性電子デバイス(センサーなど)を組み込んで、環境の変化の検出などの多様な用途に利用できることを実証し、ソフトロボットの跳躍性能を向上させるためにさらなる構造最適化を行うことができるという考えを示している。Chenたちは、今後、非係留型ロボットの研究が行われることで、これらのソフトロボットの汎用性が高まると考えられると結論付けている。
doi:10.1038/s41467-021-27265-w
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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