Research Press Release
高効率小分子太陽電池
Nature Materials
2011年11月7日
電力変換効率6.7%の小分子太陽電池が溶液プロセスで作製されたことが、Nature Materials(電子版)に報告される。この小分子太陽電池は、最高性能の高分子太陽電池に匹敵する性能を持つ。また、大量生産が可能であり、生産の信頼性を向上できる可能性がある。 太陽光を電気に変換する有機バルクヘテロ接合太陽電池には、有機半導体混合物が使用されている。有機半導体は、印刷法のように溶液を用いた方法で成膜できるので、大面積フレキシブル太陽電池の大量生産向けとして魅力的な材料である。現在、最も効率のよい有機バルクヘテロ接合太陽電池は、半導体高分子を用いて作製されている。しかし、高分子を用いた場合、合成過程が原因で、小分子の場合よりも組成やデバイス性能のバッチ間変動が大きくなりやすい。 G Bazanらは、慎重な分子設計を行うことによって小分子半導体を開発し、この半導体を利用して高効率バルクヘテロ接合太陽電池を溶液プロセスで作製できた。Bazanらの太陽電池は、最高性能の高分子太陽電池に近い性能を示している。
doi:10.1038/nmat3160
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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