地質学:地震が石英の中で金塊の形成を助けているかもしれない
Nature Geoscience
2024年9月3日
地震が石英中に電場を形成し、それが金塊の沈殿につながる可能性があることを報告する論文が、Nature Geoscienceに掲載される。この発見は、実験室での実験に基づくもので、一部の金鉱床がどのように形成されるかの理解を深めるのに役立つかもしれない。
石英は、圧電鉱物であり、地震などの地質応力を受けると電場を発生させる。金塊は主に石英脈に見られるが、これらの金塊が形成されるメカニズムは不明である。
Christopher Voiseyらは、地震発生時に石英が生成する可能性のある圧電電圧をモデル化した。これらのデータを使用して、著者らは金が溶け込んだ液体中の石英結晶を用いた実験を実験室で行い、地震による地震波を再現して水晶に歪みを与え、圧電電圧を発生させた。 著者らは、石英が液体から金を沈殿させ、その表面に金ナノ粒子を蓄積させるのに十分な電圧を発生させることを発見した。
著者らは、このプロセスが自然に起こりうる可能性があるという仮説を立てている。また、金が溶け込んだ流体が石英脈の亀裂に浸透し、地震によって石英内に電場が発生すると金塊が形成されるのではないかと提案している。金が最初に沈殿した後、さらに圧電現象が起こると、その上に新たな金が形成される可能性があり、これがより大きな金塊の形成を説明する手がかりになるかもしれないと、著者らは示唆している。
Voisey, C.R., Hunter, N.J.R., Tomkins, A.G. et al. Gold nugget formation from earthquake-induced piezoelectricity in quartz. Nat. Geosci. (2024). https://doi.org/10.1038/s41561-024-01514-1
doi:10.1038/s41561-024-01514-1
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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