工学:鳥にヒントを得た脚がロボットの飛び立ちを助ける
Nature
2024年12月5日
鳥のような脚を持つロボットRAVENは、飛び立つためにジャンプし、地上を歩き、および障害物を飛び越えることができる。今週のNature に掲載されたこのデザインは、複雑な地形での航空機の展開を可能にするかもしれない。
鳥の後肢には、歩行、ホッピング、跳躍、および飛び立つためのジャンプなど、さまざまな機能がある。これらの能力は、空中ロボットにとって有用であるが、複数の移動モードを備えたシステムを構築することは難しい。なぜなら、システムが機械的に複雑になりすぎたり、重量が増えたりして、うまく飛行できない可能性があるからだ。
Won Dong Shinらは、こうした課題を克服し、鳥のような動きができる四肢を備えたロボット、RAVEN(Robotic Avian-inspired Vehicle for multiple ENvironments)を開発した。この四肢は、鳥の多節足の脚の構造ほど複雑ではないが、腰、足首、および足に似た構造を備えている。RAVENは、鳥のように飛び立つためにジャンプすることができ、これは初期の飛行離陸速度に大きく貢献することが示されており、ジャンプせずに離陸するよりもエネルギー効率が良い。また、脚の設計により、歩行、隙間を飛び越える、および障害物に飛び乗るなど、さまざまな歩行様式が可能になる。
さらなる最適化が必要ではあるが、RAVENの脚の設計は、複数の移動モードを使用できるより多用途な機械の設計にインスピレーションを与える可能性があると、著者らは結論づけている。
- Article
- Published: 04 December 2024
Shin, W.D., Phan, HV., Daley, M.A. et al. Fast ground-to-air transition with avian-inspired multifunctional legs. Nature 636, 86–91 (2024). https://doi.org/10.1038/s41586-024-08228-9
doi:10.1038/s41586-024-08228-9
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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