考古学:植民地化以前のアマゾンの住民は「田園都市」でアヒルに餌を与え、トウモロコシを食べていた
Nature Human Behaviour
2024年12月24日
ボリビアの古代人類は、アマゾン川流域に植民地として侵略される以前、意図的にバリケン(muscovy ducks)に餌を与え、トウモロコシ農業に大きく依存していた可能性があることを報告する論文が、Nature Human Behaviour に掲載される。この研究結果は、ボリビアで発見された約1,300年前までの人骨と動物遺体の分析に基づいており、人類による作物や動物の管理が、この地域の植民地化以前から行われていたことを示唆している。
これまでの研究で、スペイン人による植民地化以前のアマゾン川流域の特定地域では、キャッサバ、カボチャ、サツマイモ、ヤムイモ、および特にトウモロコシなどの農作物が重要であることが確認されている。しかし、人間、動物、および作物との関係の直接的な洞察は、一部の地域、特に、ボリビア・アマゾンのラノス・デ・モホス(Llanos de Mojos)地域にある巨大な墳墓で知られるカサラベ(Casarabe)族の居住地域では不足している。
Tiago Hermenegildoらは、ラノス・デ・モホスで発掘された紀元700年から1400年までの人間86人(男女)と動物68種(哺乳類、爬虫類、鳥類、および魚類)の骨を分析した。その結果、トウモロコシはサンプリングされたすべての個体にとって共通の食物であり、その消費のピークはおそらく700年から800年の間に起こったことがわかった。Hermenegildoらの分析によると、サンプルに含まれていたバリケンにもトウモロコシが与えられていたことが判明した。これらのデータから、この地域では800年頃には意図的にこれらの動物に餌を与えており、1100年頃には家畜として飼育されていたことが示唆される。著者らは、同位体分析によれば、800年以降、主食作物としてのトウモロコシが着実に減少していることを指摘している。これは、カサラベ人が農業の多様化を図ったか、他の集団との交易を増やしたことを示しているのかもしれない。
著者らは、紀元500年にカサラベ文化が出現する以前から、ボリビア・アマゾンではトウモロコシが栽培されていたが、トウモロコシが主食となったことで、文化が拡大した可能性が高いと指摘している。
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- Published: 23 December 2024
Hermengildo, T., Prümers, H., Jaimes Betancourt, C. et al. Stable isotope evidence for pre-colonial maize agriculture and animal management in the Bolivian Amazon. Nat Hum Behav (2024). https://doi.org/10.1038/s41562-024-02070-9
doi:10.1038/s41562-024-02070-9
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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