Research Press Release
木の年輪に記録されていない火山による寒冷化
Nature Geoscience
2012年2月6日
木の年輪に基づいて過去の気候を再現することは、火山噴火によって生じる時間の短い寒冷化事象を見逃す可能性があると、今週号のNature Geoscience onlineに発表された論文が報告している。その研究は、特に木の年輪に基づいた再現はAD1258-1259年に起きた、同定されていない火山の噴火に関連した寒冷化を見逃している可能性があると示唆している。木の年輪の年代は、木の生長にとって最低限の温度となっている地域の周辺から収集されていることがある。Michael Mann等は気候と木の生長に対する数値シミュレーションを用いて、1回から2回の成長する季節の間に温度が急激に下がるときは、このような地域の木はほとんど生長しないことを示した。その結果、寒冷期に対応する木の年輪が欠落していることで、それによる気候の再現から気候事象を隠してしまうことになる。この結果は、AD1258-1259年に起きた噴火に関連した2℃の寒冷化(気候モデルから示されている)は、既存の年論データによっては除外できないことを示している。
doi:10.1038/ngeo1394
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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