Research Press Release
アイスマンの目の色や血液型などがゲノム配列から判明
Nature Communications
2012年2月29日
「エッツィ」という名のチロルのアイスマンのゲノム塩基配列について報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。この新知見により、血液型、目の色、持病と思われる病気など、これまで知られていなかったアイスマンの特徴が明らかになった。 このイタリアで発見されたアイスマンのミイラについては、すでにミトコンドリアゲノム塩基配列が解読されているが、今回、A Zinkたちは、アイスマンのゲノム塩基配列全体を解読した。このゲノム配列からは、このアイスマンが生きていたのが今から5300年前で、目の色が茶色で、血液型はO型、それにラクトース不耐症だったことがわかった。また、遺伝的性質の解析をさらに進めたところ、心血管疾患にかかりやすい体質だったことも判明し、このことは、このミイラで見つかった血管石灰化によって裏付けられた。さらには、ライム病の病原体(Borrelia burgdorferi)のゲノムの痕跡も見つかっており、このアイスマンがライム病にかかっていた可能性が示唆されている。これは、最古のB. burgdorferiの発見でもある。
doi:10.1038/ncomms1701
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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