【神経科学】ヘビの画像を見つけ出す能力は月経周期中に変動する
Scientific Reports
2012年3月9日
女性は、月経周期の後半になると、ヘビやその他危険をもたらすおそれのある刺激を素早く見つけ出せるかもしれないことが予備的な研究に明らかになった。ただし、この予備的研究では、被験者が月経周期のどの位置にあるのかを血液検査で確認していないため、今回報告された行動上の影響がホルモン濃度と相関しているかどうかを確認するにはさらなる研究が必要となる。この研究成果を報告する論文が、Scientific Reportsに掲載される。 成人は、ヘビの画像を目標物として見つけ出す速度が花の画像の場合より速くなる傾向がある。そして、女性の場合には、気分、認知能や社会的行動が、月経周期の各期で変化するという学説があることから、正高信男(まさたか・のぶお)たちは、こうした変化が、ヘビの画像を見つけ出す作業における女性被験者の成績に影響するかどうかを調べた。月経周期の3期のいずれかにある健康な閉経前の成人女性(合計60人)を被験者とし、1つのヘビの画像と8つの花の画像を並べたマトリクスと8つのヘビの画像と1つの花の画像を並べたマトリクスを見せて、できるだけ早く目標物の画像を見つけ出すテストを行った。 その結果、最も速く目標物を見つけ出したのは、月経周期の黄体期の女性だった。黄体期には、エストラジオールとプロゲステロンの濃度が高い。正高たちは、今回得られた結果の原因として、健康な女性の月経周期に生じるホルモンの変化を挙げているが、これらの結果を検証するためには、客観的なホルモンデータに基づく研究をさらに行う必要があると思われる。
doi:10.1038/srep00307
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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