Research Press Release
【植毛】マウスに移植した毛包が周辺の組織とつながった
Nature Communications
2012年4月18日
毛のないマウスに移植された毛包が、筋肉や神経繊維などの周辺組織と結合したことを報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。この研究は、幹細胞から生成した毛包細胞を移植する技術を前進させる可能性がある。
歯、唾液腺、毛包といった器官については、すでに人工器官が作製されている。辻孝(つじ・たかし)たちは、すでに胚性毛包幹細胞から毛包と毛幹を再生することに成功しているが、今回は、同じ出発組織と成体の毛包に由来する幹細胞を用いて、生物工学によって作られた毛包原基を無毛マウスに移植して、機能しうる毛包を生成できることを明らかにした。こうして移植された毛包は、周囲の皮膚層、筋肉や神経繊維と結合し、刺激に応答して逆立った。また、移植された毛包が、正常な毛周期を起こすことも明らかになった。
今回の研究成果によって、毛包移植の理解がさらに進んだ。
doi:10.1038/ncomms1784
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
生物学:全ヒト細胞アトラスの作成Nature
-
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
健康科学:イカに着想を得た針を使わない薬物送達システムNature
-
化学:光を使って永遠の化学物質を分解する新しい方法Nature
-
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications