Research Press Release
腸内の善玉と悪玉を見分ける
Nature Immunology
2012年4月9日
免疫系が、病原性を持つ腸内細菌と無害な腸内細菌とを見分ける仕組みの報告が寄せられている。
Gabriel Nunezたちは病原性細菌による感染を詳しく調べ、これを非病原性腸内細菌と比較した。腸内の貪食細胞(有害な細菌や瀕死の細胞、死んだ細胞を取り込む免疫細胞)は、1つの例外を除いて、調べた細菌すべてに対して全く応答しなかった。その例外が病原性細菌で、これだけが大量の炎症誘発性サイトカインIL-1生産を刺激した。著者たちは、腸内貪食細胞が細胞内タンパク質複合体を利用して病原性細菌と無害な細菌とを見分けていることを明らかにした。
doi:10.1038/ni.2263
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
気候変動:船舶用燃料油の硫黄含有量の上限引き下げが海洋上の大気の温暖化に関連しているCommunications Earth & Environment
-
天文学:小さいけれど複雑なメインベルト小惑星Nature
-
物理学:視覚チップとハイブリッドカメラによって自動運転車の視覚を強化するNature
-
環境:細菌を用いて農地からの亜酸化窒素排出量を削減するNature
-
微生物学:食事療法に関連した腸内マイクロバイオームの変化を調べるNature Communications
-
健康:1回の投与で長期的にマウスの喘息を抑制する治療法Nature Immunology