【材料】完璧な砂の城の作り方
Scientific Reports
2012年8月3日
完璧な砂の城の作り方を示した論文が、今週、Scientific Reportsに掲載される。この研究では、最も安定な砂の城は、含水率が約1%と非常に低いが、その最大可能高さが、底面の直径に依存することも示唆されている。今回の研究成果は、土木工学と土質力学への応用可能性がある。
湿った砂による砂の城の彫刻の剛性は、砂の粒子間に形成されるキャピラリーブリッジから生み出されている。これとは逆に、乾いた砂は、自重を支えることすらできない。見事な砂の城を作り出せるのは、わずかな水分を含む砂だけであり、水分が多すぎると、地滑りの場合のように構造体が不安定化する。今回、D Bonnたちは、円柱状の湿った砂の安定性を理論的、実験的に調べた。この砂の円柱は、自重による座屈転移が起こると不安定になった。Bonnたちは、砂柱の最大高さが、底面の半径の3分の2乗に比例して増加することを発見し、砂に加わる力とその結果生じる変形の比率(弾性率)を測ることで、湿った砂の最適強度が非常に低い含水率で達成されることを明らかにした。このモデルによって、砂の城の最大高さの計算が可能となった。
もっと安定で、したがって、もっと背の高い砂の城を作る方法の一つは、砂の有効密度を低下させることであり、この砂の城を水没させることで達成される。こうすると、通常の砂の粒子の間の液体のブリッジが破壊されるが、疎水性砂を用いれば、水中の砂粒子の間に空気のブリッジが形成される。
doi:10.1038/srep00549
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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