Research Press Release
【材料科学】ロールコーティングで発光電気化学セルを作る
Nature Communications
2012年8月15日
ロール塗布機を用いて、伸縮可能な大面積発光デバイスが作り出された。この発光デバイスは、空気中で連続製造できるので、有機LEDに代わるデバイスとして有望視されている。この研究成果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
有機材料は、さまざまな伸縮可能な電子デバイス(例えばLED)に利用できるのだが、こうしたデバイスは、材料の特性に非常に敏感なため、層の厚さを十分に制御しなければならないし、現在のところ、真空下で製造されているので、コスト高につながり、難度も高い。これに代わるデバイスとしては、発光電気化学セル(LEC)がある。LECも有機化合物から作られているが、LEDのように欠陥に敏感ではない。今回、L Edmanたちは、周囲条件下でロール塗布技術を用いてLECを連続製造し、伸縮可能な大面積発光デバイスを実現した。LECのひとつひとつの層には非常にむらがあり、LEDであれば許されないところだが、LECデバイスは高い性能を示した。また、Edmanたちは、LECデバイスに長期安定性があり、低コストで故障許容型の製造が可能なことも明らかにした。
doi:10.1038/ncomms2002
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化学:アルゴリズムは、ウイスキーの最も強い香りと原産地を嗅ぎ分けることができるCommunications Chemistry
-
天文学:月の年齢はより古いNature
-
気候変動:南極の海氷減少が嵐の発生を促すNature
-
天文学:天の川銀河の超大質量ブラックホールの近くに連星系を発見Nature Communications
-
惑星科学:土星の環が若々しい外観を保っている理由Nature Geoscience
-
惑星科学:木星の衛星イオに浅いマグマの海はないNature