Research Press Release

【微生物学】陸上生態系の新たなメタン発生源

Nature Communications

2012年9月5日

菌類が、温室効果ガスの一種であるメタンの生物学的供給源であることが新たに判明した。この新知見は、全球メタン循環の解明を進め、気候モデルの改善に役立つ可能性がある。この結果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。

メタンは、二酸化炭素に次いで2番目に重要な温室効果ガスである。工業プロセス以外にも、動物、植物や特定の微生物(古細菌)によって生成される。今回、K Lenhartたちは、ほとんどすべての陸上生態系に存在する菌類もメタン生成源であることを発見した。Lenhartの研究チームは、木材・土壌腐朽菌である担子菌類8種が、アミノ酸の一種であるメチオニンからメタンを生成することを明らかにした。 今回の発見は、好気的メタン生成が、自然界において、これまで考えられていたよりも広く見られることを示唆している。担子菌類やその他の菌類からのメタン放出が全球的なメタン収支にどの程度寄与しているのかは、今後の研究によって確定されるだろう。

doi:10.1038/ncomms2049

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度