Research Press Release
短命な膨張
Nature Geoscience
2012年9月10日
ギリシャのサントリニ火山下浅部地殻にあるマグマ溜まりは短命であると今週号のNature Geoscience(オンライン版)に発表された研究が報告している。この発見は、サントリニ火山における噴火は浅部地殻に大量のマグマが急速に供給されることが引き金になっていることを示唆している。
David Pyleたちは、人工衛星と陸上調査データを用いて1950年代に起きた最後の噴火以降の地下にあるマグマ溜まりの体積変化を評価した。彼らは、マグマ溜まりの体積は2011年1月までは比較的安定していたが、1000万から2000万立方メートルのマグマがマグマ溜まりに付加されると火山が膨張したことを示している。これまでは、このような浅部のマグマ溜まりは寿命が長く、地下から少量のマグマのかたまりを連続的に供給されていると考えられていた。
関連するNews and Viewsの記事でAndrew Hooperは次のように述べている、「サントリニ火山で得られた新しい観測は浅部に継続的にマグマ溜まりが存在する可能性を排除するものではない。しかしながら、噴火に至るマグマの大部分は短いパルスによって浅部へと移動していることを示している。」
doi:10.1038/ngeo1562
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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