Research Press Release
AMPKを活性化させる複数の方法
Nature Chemical Biology
2012年9月17日
細胞のエネルギー収支を維持するのに重要な代謝センサーであって糖尿病治療の標的として有効性が確認されているAMPKを活性化させるメカニズムが、今週のNature Chemical Biologyで発表される。その研究は、AMPK活性の基本的な調節に関する理解を深めるのに役立つことから、糖尿病に対する新たな治療機会をもたらすと考えられる。
Qiao Wu、Tianwei Linたちは、AMPKを活性化させるLKB1を標的から隔離することによってAMPKを抑制するオーファン核内受容体Nur77を含む新たな経路を発見した。その経路は、Nur77とLKB1との相互作用を遮断することによってLKB1を解放してAMPKを活性化させる新たに発見された物質に関する機械論的研究で明らかにされた。糖尿病の複数のマウスモデルでは、その物質が、血中グルコースレベル、インスリンレベル、およびグルコースチャレンジに対する反応を改善した。
その物質が臨床利用可能なものかどうかを明らかにするにはさらに研究を進める必要があるが、この経路の発見からは、糖尿病の治療を目的としてAMPKを活性化させるための新たな機会が得られる。
doi:10.1038/nchembio.1069
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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