Research Press Release
がん:エピジェネティック的手法でがんの進行を診断する
Nature Communications
2012年11月14日
特定の数個の遺伝子についてプロモーターのメチル化を測定して、大腸がんのさまざまな臨床病期にある患者を分類する方法について報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。こうしたマーカー遺伝子が同定されたことで、これまで以上に精度が高く、大腸がんの鑑別診断に使える非侵襲的方法の開発につながるかもしれない。
遺伝子のオン・オフ状態は、いわゆる「エピジェネティック変化」(例えば、遺伝子のプロモーター領域のメチル化)によって決まる。また、さまざまな大腸がん関連遺伝子が、エピジェネティック変化によって活性化することが知られている。今回、S Wangたちは、患者の組織標本中の10種の大腸がん関連遺伝子についてプロモーターのメチル化を測定し、2~3種のマーカー遺伝子のいくつかを用いることで、それぞれの患者における大腸がんの有無を判定できたことを報告している。また、これらのマーカー遺伝子を用いると、初期の大腸がん患者と進行した大腸がん患者を分類できることも判明した。
Wangたちは、このようなプロモーターのメチル化の累積的解析を行えば、頻繁に実施されている単一のプロモーターの解析よりも正確な診断結果が得られるという考え方を示している。
doi:10.1038/ncomms2209
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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