Research Press Release

結核の炎症を解除

Nature Immunology

2012年11月19日

体が自然に分泌するインターロイキン-1(IL-1)という分子が、結核感染と闘いつつ、宿主の組織に対する過剰な損傷を避けるしくみが明らかになった。

IL-1は、マクロファージなど特定の免疫細胞によって、インフラマソームとよばれる複合体の形成を介して生産される。インフラマソームの重要な成分の1つが、NLRP3である。Christopher Sassettiたちは、結核感染のマウスモデルを使って、NLRP3に一酸化窒素分子を付加(ニトロシル化)すると、インフラマソームが不活性化されることを発見した。抗菌性の一酸化窒素分子種の生産は、結核に対する典型的な免疫応答の1つなので、このインフラマソーム不活性化は、結核の際にIL-1の生産量を制限するために本来備わった機構と言える。

このインフラマソームのニトロシル化による炎症制御機構は、もっと幅広く、持続感染にともなう損傷を抑制する重要な働きをしている可能性がある。

doi:10.1038/ni.2474

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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