Research Press Release
甲虫の大発生により温暖化したカナダ
Nature Geoscience
2012年11月26日
カナダの夏は今世紀になってパインビートルの大発生によって温暖化したという報告が、今週、Nature Geoscience(オンライン版)に掲載される。甲虫により引き起こされたこの温暖化は、森林火災に依るものに匹敵し、この地域の雲の被覆と降雨に変化をもたらした可能性がある。
ブリティッシュ・コロンビアの森林に対する現在のマウンテン・パイン・ビートルの来襲は、これまでカナダで記録された生態系への擾乱では最大級のものである。Holly Manessたちは人工衛星データを用いて、この来襲がこの地域の夏季の気候に与えた影響を検証した。彼らは、この来襲とそれに関連して森林が枯れた結果として蒸発と植物の蒸散が減少し、夏季の地表の温度が約1℃程度上昇したことを示している。
doi:10.1038/ngeo1642
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:AIツールが創造的なビデオゲーム開発を支援Nature
-
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
素粒子物理学:最高エネルギーのニュートリノが話題を呼ぶNature
-
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature