Research Press Release
【生態】北米のコウモリの病気の特徴に関するモデル作成
Nature Communications
2012年12月19日
北米全体におけるコウモリの白い鼻症候群の蔓延について、このコウモリ種の生息分布がまだら状で、北米での冬季が長期化しているために、蔓延が拡大することを報告する論文が、今週、掲載される。この研究結果は、白い鼻症候群の蔓延パターンが、コウモリの生態的形質と符合していることを示唆している。この発見は、白い鼻症候群の管理に関する新たな情報として役立つ可能性がある。
白い鼻症候群は、菌類を原因とする疾患で、大量の早期死亡を引き起こす。この疾患が、米国東部とカナダに生息する北米のヒナコウモリ科のコウモリの間で蔓延した。今回、S Maherたちは、白い鼻症候群の郡スケールでの感染歴に関するデータのモデルを作成して、この疾患の蔓延の機構とこの機構がコウモリの生態によってどのような影響を受けるのかについて明らかにした。Maherたちのシミュレーションでは、2105~2106年の冬までに米国の大陸部の洞窟のある郡の大部分において白い鼻症候群が急速に蔓延することが予測されている。
doi:10.1038/ncomms2301
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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