Research Press Release

生ウイルス感染

Nature Immunology

2013年1月14日

インターロイキン1情報伝達を介した第三者細胞による活性化が、生きたウイルス感染の際のT細胞応答誘発の必要十分条件であることが明らかになった。この事実は、インターロイキン1がワクチンのアジュバントに利用できる可能性を示唆している。

ワクチンによって誘発される免疫応答には、病原体に関連した分子パターン(ワクチン製剤に含まれる)を、抗原提示の役割を専門に担う樹状細胞(DC)が直接認識する必要がある。ウイルスに対するT細胞応答を誘発するには、このような病原体の特異的特徴を認識する特異的受容体を介したDC固有の情報伝達が必要であり、炎症性サイトカインだけではワクチン接種の際にDC活性化を引き起こすには不十分である。Akiko Iwasakiたちは、生きたインフルエンザウイルスの感染の際にウイルス特異的T細胞の増殖を促進するには、DC中のサイトカイン、インターロイキン1を介した情報伝達が必要であるとともに、それだけで十分に増殖を促進できることを明らかにした。Iwasakiたちは、生体での生きたウイルス感染の際にはDCがウイルスによって破壊されたり、機能を失ったりする可能性があるため、このような第三者的活性化が重要かもしれないと述べている。

doi:10.1038/ni.2514

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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