Research Press Release
粒状物質を進化させる
Nature Materials
2013年1月21日
ジャミングした粒状物質の機械的特性をコンピューターで最適化する方法が開発されたことが、今週オンライン版に報告される。この方法を利用すれば、粒状物質が圧縮に対して応答する際、粒子が果たす役割を系統的に調べることができる。
米粒やコーンフレークのような粒状固体の場合、粒子の詰まり方や粒子間の接触ネットワーク、ひいては圧縮(外部圧力や物質の自重に起因する)に対する固体の応答の仕方が、粒子の形状によって決まる。しかし、形状は無限のパラメーターなので、粒状物質の機械的応答における粒子形状の役割を系統的に調査することは、現実的ではなかった。今回、Marc MiskinとHeinrich Jaeger は、この問題を人工進化の観点から見直した。彼らは、形状の淘汰と変異を通して粒子を繰り返し改良し、さまざまな形状の初期粒子群から最高の機械的性能を得るアルゴリズムを実証している。研究者らは、進化アルゴリズムによって、数十または数百世代後に、圧縮下で粒子凝集体が軟弱化せず強固になる粒子を見いだし、3次元印刷を用いてこれを検証した。
doi:10.1038/nmat3543
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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