Research Press Release
【神経科学】自制心の強い子どもが大人になると
Nature Communications
2013年1月23日
小児期に高度のセルフコントロールができる者は、この能力を成人期まで維持でき、関係する神経ネットワークの動員効率を高められる可能性も秘めていることが判明した。この新知見は、ヒトの一生にわたるセルフコントロールの個人差に関する手がかりをもたらしている。詳細を報告する論文が、今週掲載される。
小児期に満足を遅延させる能力を身につけていることは、その後の人生における多くの重要な健康、社会と認知に関する結果と関連づけられてきたが、こうした関連性の根底にある神経機構の解明は遅れている。今回、M Bermanたちは、1960年代後半に実施された満足遅延研究に子どもとして参加した人々について、fMRIを用いた研究を行った。その結果、子どものときにセルフコントロールをうまく行っていた人々は、子どものときのセルフコントロールの評価点が低かった者と比べて、成人になってからの神経処理の効率が高くなったことを示す神経的特徴を有することが判明した。
Bermanたちは、このfMRIデータによって、セルフコントロールのレベルに関する正確な予測ができるようになった。また、Bermanたちは、この神経的特徴の特異な部分を、セルフコントロールだけでなく、成人期まで維持される他の能力に関する生物学的予測因子としても利用できる可能性があることを明らかにした。
doi:10.1038/ncomms2374
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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