Research Press Release
濡れていた初期の月
Nature Geoscience
2013年2月18日
月の内部はその歴史の初期において水を含んでいたと、今週のオンライン版に発表された研究が報告している。月の石に含まれる水は、どれもそれがより小さい隕石の衝突か太陽風により形成された後に付加されたと考えられてきたが、この新しい発見は、月の形成を導いた過程を再検討する必要があることを示唆している。
Hejiu Huiたちはアポロ計画の際に月の高地で得られた試料を分析した。彼らは、鉱物粒子中にわずかだが測定可能な量の水を検出した。月の高地は、全体が溶けていた初期の月から結晶化した始原的地殻であると考えられている。したがってこの発見は、地殻が固化する前のこの溶解していた段階で月の内部は水を含んでいたことを示している。
そのような初期の段階で月の内部に水が存在していたことを、月が原始地球との大規模な衝突で生成された残骸から形成されたとする理論と両立させることは難しい。
doi:10.1038/ngeo1735
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
生物学:全ヒト細胞アトラスの作成Nature
-
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
健康科学:イカに着想を得た針を使わない薬物送達システムNature
-
化学:光を使って永遠の化学物質を分解する新しい方法Nature
-
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications