Research Press Release
抗血栓薬の副作用である出血を阻害する解毒剤
Nature Medicine
2013年3月4日
凝固因子Xaの直接阻害剤には、過剰な阻害により生じる出血という副作用があるが、ある解毒剤が、この副作用を特異的に阻害することが動物モデルで明らかになった。この解毒剤が、ヒトでも同様な働きをするなら、第Xa因子阻害剤の利用価値が大幅に高まる可能性がある。
凝固因子Xaを標的とする薬剤は、ヒトの血液凝固を防ぐ目的での使用が最近認可され、ワーファリンに代わって標準治療として広く利用される可能性がある。Uma Sinhaたちがその解毒剤として開発したのは、第Xa因子を改変した組換え因子で、天然の正常な第Xa因子がもつ凝固促進活性をもたないが、第Xa因子を阻害する薬剤に結合はするので、阻害薬を吸収してしまうことになる。著者たちはウサギを用いて、第Xa因子の過剰な阻害が原因で生じた出血を、この解毒剤によって止められることを明らかにした。
doi:10.1038/nm.3102
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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