Research Press Release
煙の輪を結ぶ
Nature Physics
2013年3月4日
つながったりねじれたりした煙の輪に似た構造が、今週オンライン版に初めて報告されている。
流体における混合や急激な乱流によって、渦と呼ばれる回転運動が生じることがある。これの一般的な例の一つはたばこを吸う人が吐き出す煙の輪で、折り重なって閉じたループを作る渦である。こうした渦の流体力学を解明できれば、例えば、気象学者が異常な大気の影響を予測するのに役立つ。しかし、実験室ベースの研究は、極めて単純な輪のみに限られている。今回、D KlecknerとW Irvineは、3Dプリンターで作った水中翼を用いて水中を通過させ、つながった輪と結び目になった渦を作り、画像化している。
「このような渦は、超伝導体、超流動体、太陽コロナや地球の磁気圏に見られるプラズマなど、驚くほど広い範囲に現れる」と、D Lathropは関連のNews and Viewsで述べている。したがって、今回の結果は入り組んだ渦を再現できることから、現実の世界のさまざまな系のモデル化が可能になる。
doi:10.1038/nphys2560
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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