Research Press Release
小さなサイドミラーを使う顕微鏡
Nature Methods
2013年3月25日
微視的な鏡を単一のヒト腫瘍細胞の隣に設置し、照射光を横から細胞内に反射させて、ゲノムに結合する単一の転写因子の動態を映し出すという顕微鏡のデザインが、今週の『Nature Methods』で発表される。照射光を横で折り返すことにより、この顕微鏡は単一細胞の内部の仕組みを明瞭に描出する。
Sunney Xieたちは、本来は原子間力顕微鏡法に用いられるチップレス・カンチレバーに鏡面加工を施し、それを標準的な蛍光顕微鏡に取りつけることによって、その顕微鏡を製作した。これにより、反射された光シートが細胞の側面を透過して細胞核に届き、ゲノム、および遺伝子発現を調節するほかの転写因子に結合するグルココルチコイドおよびエストロゲン受容体が観察された。
顕微鏡の照射光を横で折り返すことにより、この顕微鏡は単一細胞の内部、特に1つのタンパク質のゲノムへの結合によって遺伝子のオンオフが切り替わる細胞核の内部の仕組みを明瞭に描出する。
doi:10.1038/nmeth.2411
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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