Research Press Release
【地球物理学】火山噴火の兆候を読み取る
Nature Communications
2013年4月10日
地震観測を用いて火山ガスの流出量を追跡調査する方法を示した論文が、今週掲載される。火山ガス流出量の変動は、火山噴火の予測に利用できるのだ。これまで地震波の方向性の変動は、岩石中の応力条件の変化が原因だと解釈されていたが、今回の研究では、ガスの流出量も原因であることが判明した。論文著者のJessica JohnsonとMichael Polandは、火山系からの脱ガスが火山噴火の前兆である可能性があり、地震観測を用いて火山系からの脱ガスの変化を監視できるとする見解を示している。
2008年にキラウエア火山(米国ハワイ州)の山頂で新たな噴火が始まった。それに伴って、地震波の方向性が変化し、ガスの流出量が増加した。今回、JohnsonとPolandは、こうした特性の時間変動を解析し、火山でのガス流出量の変化の兆候と考えられる火山構造性シグナルを同定した。多くの火山では、地震観測は行われていても、ガス観測が行われていないため、今回の研究結果は、近い将来に発生するかもしれない噴火の兆候を把握するための火山監視の精度を高めるうえで役立つ可能性がある。
doi:10.1038/ncomms2703
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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